最後の幸存者・楊玉芬さん逝去
平頂山事件の最後の幸存者として知られていた楊玉芬さんが逝去されました。
楊玉芬さんは1924年12月生まれで,1932年9月16日の平頂山事件の際には満7歳でした。楊玉芬さんはお父さんの楊占有さんとともに事件を生き延びました。
弁護団と初めて出会ったのが2005年4月のことで,この当時は階段を駆け上がるほどお元気な様子でした。
その後の2010年10月には来日して,月島社会教育会館で被害体験について証言しています。さらに民主党政権下の横路孝弘衆議院議長にも面談していました。
実行委員会と弁護団は,訪中するたびに楊玉芬さんにもお目にかかってきましたが,昨年9月にお会いしたのが最後の機会となりました。
本年3月14日午前5時15分に亡くなられたとのことです。平頂山記念館の周学良館長からご連絡をいただきました。
享年92歳でした。
以下は,当実行委員会と弁護団が中国側にお送りした弔文です。
-----------------------------------------------------------------------------
楊玉芬さんの突然の訃報に接して,私たちの心は,驚きとともに,悲しみの気持ちで一杯です。
楊玉芬さんは,1932年に日本軍によって引き起こされた平頂山事件の幸存者であり,事件の語り部でした。私たちは,日本国政府に対し,平頂山事件の事実を認めさせ,真の謝罪を求め続けてきた弁護団として,楊玉芬さんと長い間親交を深めてきました。楊玉芬さんと出会い,教えられたことの全ては,私たちにとって,かけがえのない財産です。
私たちはこれからも,楊玉芬さんの遺志を引き継いで,平頂山事件の真実を後世に伝え,日本と中国の将来へ向けた,真の友好関係を築いてゆく決意です。
私たちは永遠に,楊玉芬さんのことを忘れません。
どうぞやすらかにお眠りください。
2017年3月14日
「撫順」から未来を語る実行委員会
平頂山事件訴訟弁護団