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2017年4月 8日 (土)

第6回連続講座の報告

「日本国憲法公布70周年記念 連続講座 日本が再び『戦前』にならないために

 ~平頂山事件に至る時代と今の時代を比較して~」


 第6回連続講座が2017年4月3日から,月島区民館で開かれました。
 講師は堀尾輝久先生(東京大学名誉教授),演題は「教育の視点から ~戦前の教育と戦争」でした。

 先生からは,「いま憲法と教育について考えること」と,「軍国少年から平和主義者へのながい道」という2つのレジュメが配られました。

 当日の講演の要旨は以下のとおりです。


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 現在の状況はたいへん危険になっています。1920年代の後半から1930年代にかけて、大正デモクラシーがファシズムにすすんでいく時代に似ています。

 安倍政権が改憲にすすんでいく前に第一次安倍内閣の時に教育基本法を変えました。これは法改正というのではなく、47年教育基本法を廃止して、新教育基本法をつくったというものです。日本国憲法がもっている人間観、未来社会への展望、世界史の中での日本国憲法を無視しています。近代教育とは何かを考えてみたいと思います。

Photo_2  さいきん学習指導要領の改訂が発表され、道徳が教科化され、銃剣道が中学体育にとりあげられることになりました。戦前の大正デモクラシーの中でファシズムが生まれてくる状況と似てきています。

 1923年関東大震災の時、国民精神作為に関する詔勅が出されます。臣民教育が公民教育とされます。公民という言葉はくせものです。公民は皇国民ということです。人権への感覚をにぶらせ、主権者意識をゆがめて公民と称したのです。第一次大戦後の軍縮時代、陸軍と文部省の連携があります。中学校への軍人を配属するのでする1933年には24事件という教師弾圧事件がおこります。貧困な子どもと向き合っていた生活綴り方教師が弾圧されます。

 1935年に天皇機関説が出され、これが弾圧の対象となります。陸軍が中心となって国民善導をすすめます。私自身の経験では、小学2年の担任は音楽に非常に熱心な方でした。音楽は軍需品と発言した海軍大佐もいました。歌で国民意識を高揚しようとしたのです。美術も戦意高揚に利用されました。“若い血潮の予科練の・・・”という歌詞は学校では習いませんでしたが、世の中の状況の中で自然に広がっていったのです。社会教育が大きな役割を担います。教科書の変化もありますが、どういう雰囲気をつくっていくか、社会意識の形成という問題があります。今の状況でいうと教育勅語を教材として使う、という閣議決定をしました。戦前、軍国主義をおしつけられた、といいますが、押しつけたと言わすに「善導」だといっていたのです。民衆は家族環境などの中で、積極的に受け入れていったのです。

 空襲がはげしくなって、枕元に教科書を置いていました。空襲のと機にもって逃げるのです。それだけ大事でしたが、敗戦後ねこれに墨を塗りました。教育勅語が中心の修身も廃止されました。

 新しい憲法が制定されました。占領軍のおしつけだ、という議論がありますが、戦争放棄は幣原喜重郎の発案だということがわかってきました。自民党は1955年に結党しますが、当時から自主憲法制定が党是となっています。これを国民はずっと阻止してきました。9条の精神を世界に広げましょう

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